by.tanii


2015.7.15 DCを利用した年金設計
7月は、某企業で確定拠出年金の継続研修を担当させていただいていますが、先日、「ギリシャの債務問題など、確定拠出年金の資産残高に大きな影響を与える場合、早めにスイッチングを行い、元本確保型の金融商品に退避させた方が良いですか?」との質問がありました。私は、「個人的な意見ですが、DC運用の後半に差し掛かった際に、もし、その後の急落があった場合に回復するまでの残り期間が短いことから、それまでの資産を安全性の高い資産にスイッチングするという方法はありますよ」と答えました。私は、60歳の一・二年前に徐々に安全資産にスイッチングしていきました。その後のアベノミクス効果や世界株高の好影響は、ほんの一部しか享受することができませんでしたが、結果論ですから、良しとしなければならないと考えています。

2015.5.25 終活のはなし

自分の体が60代になり、70代になり、80代になっても、急激な体の変化を感じるわけではない。細胞は、徐々に衰え、老化していく。肉体のみならず、知能も同様に、徐々に衰えていく。だから、人生の後半を迎えたら、意識して、資産の管理方法をシンプルにする必要がある。第一に自分が管理できなくなる。家族だってわからないだろう。人は金銭欲があるから、いくら貯まったからといって満足できない。1,000万円資産があれば、2,000万円を目指す。3,000万円貯まったら、億の声を聞かないと満足できなくなるかもしれない。そんな私達もいずれ死を迎え、この世のお金は使えなくなる。六文銭さえ残せば良い終活だが、不安を払しょくすることはできないから、少なくとも高齢期を迎えたらシンプルな資産への転換を心掛けることが大切だと思う。

2015.4.30 一時500ドル超の下げ

ひねくれ者と言われそうだが、一時、日経平均が500円超の下げと聞いて正直ほっとしている。世界的な金余り現象ということで、お金が宙に舞っているような印象を受けていた。債券や株式などの直接金融においては、実態経済とは別物で、需給バランスや思惑中心で相場が展開される。労働は知能労働であり、汗水垂らして働くというよりは、冷や汗をかきながら相場動向を見守り、瞬時に勝負するという感覚らしい。債券や株式相場は、景気の先取りで市場が形成されるというところまでは納得できるが、お金でお金を呼び込む相場師的な市場形成には違和感を覚えざるを得ない。

2015.3.26 トリプル相場の不安要素

債券とドル・円価格、株式市場のトリプル相場となっている。円安と株高の相関関係はわかるのだが、普通、株高時には債券価格は下落するというのが教科書の教え。これが日銀の緩和政策の影響もあり、債券相場は史上まれにみる高値(低金利下)へと誘導されている。私は、こんな時が崩壊のシグナルと予感している。過熱気味の相場の時に、個人が飛びつくほど恐ろしいものはない。素人に毛の生えた私がプロ投資家になるなど夢の夢なのだ、と自重の念を強くしている。


2015.2.20 原油価格と株式相場の動向

30週連続でガソリン価格が値下がりしていたが、今週に入って、7か月振りの値上げとなった。同様に、灯油価格の動向も気になる。昨年末から何度かスタンドに灯油を買いに行っているが、スタンドのお兄ちゃんは、今年の夏頃までは灯油価格が値下がりすると言っていた。原油も灯油も株価も、値下がりが続いていたら、もっと値下がりは続くだろうと予想するし、値上がりが続けば値上がりが続くだろうと予想する。どうも一般市民がそのような気になった頃が転機であり、反転の兆しが出てくるようだ。株式相場は、日経平均が14年ぶりの値をつけたというから、そろそろ天井のような気がしてならない。


2015.1.5 自分の経験を自分の言葉で

FPで学んだことは多い。しかし、それがすべて正しかったとは言いがたい。振り返れば、自分が話したプランニングも受け売りだったことがある。反省すべき点は多い。これからは、特に、自分の言葉で話すことを心掛けよう。実体験や実務経験に基づいた話をすることが大切だと思う。年相応に。でも老け込むにはまだ早い。ゴールは常に先にある。

2014.11.21 ムズムズくん

「ムズムズくん」って、多くの人は知らないかも。「海王丸(新湊港に停泊)」で有名な富山県射水市のキャラクターです。コラムには特段関係ないんですけど、例えば、日経平均が上がったとか、円安が進行している、なんて聞くと、投資の虫がムズムズしてくる。それで飛びついて、何回も失敗しているのに。。。ドルコスト平均法とか、積立投資とか、分散投資とか、投資に失敗しないノウハウについては、しっかり頭の中に刻み込まれているはずなのに、時として、さすらいのギャンブラー的な心境が頭をもたげてくる。このような私ですが、昨年、自分のキャッシュ・フローを分析し、ほぼ投資商品については、リスクの低い金融商品に預け替えしましたので、初心貫徹でいこうと復唱しています。

2014.10.15 ほどほどが丁度良いのでは?

年収の多い人は、個人の金融資産が多い? 年収の少ない人は、個人の金融資産が少ない? う〜ん、二人以上世帯の1/4が金融資産ゼロ(金融広報委員会調べ)という昨今、前述の通りとは言い難い。懐が温まれば、財布の紐は緩むが、その緩み方が尋常でないケースもある。なぜかというと、金融の世界は、財布の中身の何倍ものお金を動かすことができるからだ。住宅を建てようと思ったら、当初考えていたより、更に質の高い住宅を望み、ローンの総額が増すかもしれない。投資で更に資産を増やそうと思えば、株の信用取引や為替の証拠金取引き、不動産の有効活用時にも、現物(持ち金)の幾倍かのお金を動かすことになる。全て、事がうまく運べば御の字であるが、そうはいかないことがある。個人の偏向(バイアス)が過ぎれば、プラスの資産が負の資産になるかもしれないことを肝に銘じておこう。

2014.9.1 過去を振り返ると

我がファイナンシャル・プランニングでは、「あまり、過去を振り返らず、将来を見通す力を養い、できるだけ数値に収めて、具現化する」ということを重視してきたが、最近は、「過去を振り返ってみることも大切だなぁ」と思うようになった。考えてみれば、20歳代から30歳代にかけての高額な生命保険も、なんとか保障されずに済んだ。つまり無事に「今」がある。子供が3人とも大学へ進学し、卒業したが、一人1,000万円として三人で3,000万円は、私が借りた教育ローンも完済し、何とか乗り切ることができた。そして今は夫婦二人暮らしだが、妻に叱られながらも、一つ屋根でなんとか共同生活を送っている。今が無事にあるということは、過去が無事であった証しであり、感謝しなければならないと、思う。

2014.7.30 個々のライフプランニング

朝ドラの「アンと花子」では、若き男性陣がお茶碗を洗ったり、おしめを替えたりするシーンが何度か放映されている。一方、花子がお弁当を作って、夫や義弟、義父に持っていくシーンもあった。「夫は外で働き、妻は家庭を守る。。」といった男と女の役割分担は、男尊女卑的な家族観を引きずりつつ、今も受け継がれている。だが、私たちは、価値観の多様化を認め、自由な選択・生き方を更に推奨すべきと考える。よって、個々のライフプランニングも多様化する。多様化するライフプランニングには、個別のファイナンシャル・プランニングが必要になる。FPの出番、そして実践は、これから重要性を増す。

2014.6.27 家計管理とファイナンシャル・プランニング

消費増税後、確実に物価が上がっている。5月は、3.4%上昇し、32年ぶりの伸びだという。増税分を差し引いても1.4%の上昇だ(総務省発表)。さて、収入はどうだろうか。大手はベースアップがあり、物価上昇分をクリアできるかもしれないが、中小企業になると、手取り収入はほとんど伸び悩んでいる。収入が横ばいで、支出が増えているとなると、ファイナンシャル・プランニングの出番がやってくる。つまり、貯蓄率が下がった場合、将来の支出項目において見直しが可能な(つまりは優先順位が劣る)ものがあるか、どうか。多少大きな買い物なら、私は、車の購入時期を変えるか、購入金額を見直したいと考えている。お一人お一人、見直せる項目があれば、確実に将来のキャッシュ・フローの改善につなげることができる。


2014.5.30 リタイアメントプランニング

これからの老後は、幾つも引き出しを持っていた方が良い。雇用延長? 再就職? 公的年金に個人年金。 コツコツ貯めた財形年金? 確定拠出年金で運用益非課税。 貯蓄や投資信託で自助努力などなど。う〜ん、私はというと、@個人年金とA確定拠出年金は上手に利用できましたが、投資信託はうまく運用できなかったです。その代わりといってはなんですが、70歳くらいまで元気で居られるなら、営農組合副組合長として、農業収入で補てんしようと思っています。考えてみれば、職歴としては一番長いのが、先祖代々から受け継いだ農業なんですよ。 

2014.4.30 シンプル・イズ・ベスト

昨年から、「少しづつ、徐々に」金融商品と預入金融機関を動かしている。ネット証券など、支店を持たない金融機関で運用を行ってきたが、自分だけわかっていても困る年齢になってきたからだ。暗証番号はもちろんのこと、よく知らない金融商品群を家族が見れば、困惑するのが目に見える。例えば、私の姓名は、戸籍上では谷井傳治。しかし小学生の頃から、伝治と書いてきたし、書かされてもきた。今般、某金融商品の残高に不明な点があり、金融機関に問い合わせたところ、傳治と伝治で別人管理がなされているという。もう、めんどくさい!年金の記録管理が、数千万件分特定できない頃を思い出した。さて、一つ一つ誤りを正していこう。そして、ちょっと相談するにもフリーダイアルではなく、フェイスツーフェイスで相談できるように、富山に支店がある金融機関を選び、金融商品を移していこうと思う。

2014.3.26 今、できることを、今行う

「今でしょ!」という流行語が流行ったが、FPの実践においては、「今、できることを実践するのは、今でしょ!」ということになる。人生の各ステージにおいては、ちょっとした疑問や不安を感じたり、対策の必要性を感じたりすることがある。FPとしては、その時、すぐに問題点を整理し、解決策があれば、複数検討し、実行時期を模索した上で、できることを行っていくべきだと思う。つまり、思うだけではだめなんです。実行して初めて、効果を検証することができる。

2014.2.13 NISAの始動

少額投資非課税制度がスタートしたので、年初、早速NISA口座を開設し、100万円を投入してみた。配当金が支払われるかどうかわからないが、非課税の恩典があり、値上がり益も同様に非課税だ。私の信条としては、まずはやってみること、だ。5年の間にどのような投資成果が表れるか。楽しみにしながら、来年も再来年も投入してみようと思う。損益通算できないというデメリットがあるので、他の投資とバランスを取りながら、金融・経済のリテラシー向上を図っていこうと思う。もちろん、万一の時、家族に迷惑が掛からない程度に。

2014.1.21 今、何が必要かを考える

ファイナンシャル・プランニングを実践していく上で大切なことがあります。それは、今後のライフイベントを考えて、「必要なことと、不要なこと」を整理していくことです。日本の個人金融資産は、預貯金に偏っているから、投資にお金を回そう!と言われても、必要な人と必要でない人がいる、ということです。例えば生命保険もそうです。万が一の保障がしっかり必要な人と、そうではない人がいる、ということです。相続対策が必要な人もいれば、現時点では不要な人がいるかもしれません。今、自分や自分の家族にとって、何が必要か。これからは、ますます個々の判断や実践が必要になってきます。

2013.12.16 確定拠出年金の含み損消える

日本のサラリーマンの約450万人が加入している確定拠出年金。日経新聞には、含み損が出ている加入者が激減し、プラスの世界に転じているという。制度が始まってから12年が経つが、導入当初は、ITミニバブル崩壊後の投資環境の中、元本確保型の金融商品を選ぶ人が多かった。その後、サブプライムローンあり、リーマンショックあり、で、リスクのある金融商品は敬遠されがちだった。しかし、預貯金だけでは、到底、目標を達成できない。国内外の債券や国内外の株式を組み合わせ、利回りを高める努力をしなければならないと思う。そういう私は、個人型の確定拠出年金に加入し、月額15,000円を10年半、拠出し続けた。合計189万円は、60歳到達時に212万円となって、老後資金の一部を成している。制度を知るだけではなく、制度を利用してみて、初めて味わう日本版401Kプランだった。


2013.11.20 資産運用の目的と実践

ファイナンシャル・プランニングのコラムでも書いていますが、少額投資非課税制度のスタートに際し、つくづく思うことがあります。まず、資産運用の根本的な概念として、投機ではないということ、目的があり、その目標に向けて、自分の許容範囲のリスクを取るということ(例え預貯金でもリスクゼロという運用はない)、目的の基本はライフイベントにあり、目標はライフイベントに必要な資金であるということです。運用に際してのリスクは、いきなり高リスクから始まらないということであり、一般的に、経験や資産額とともにリスクの許容範囲が広がり、年齢とともに狭まっていくのが普通の概念です。確かに、一般的とか普通とかいうと、何が一般的で普通なのかという指摘があると思いますが、言いかえれば、自分でわかる範囲ということです。投資先がわかり、リスクの度合いも認識しながら、始めてみてはいかがでしょうか。

2013.10.25 個々のライフデザイン

ファイナンシャル・プランニングにおいて、ライフイベントの把握とキャッシュ・フロー(収支)の予測が欠かせないが、もう一つ大切なことがある。それは、家族の形成と家族の成熟課程における「個々のライフデザイン」の違いによって生じる摩擦、すなわち「夫婦」や「家族」といった基盤自体にもリスクがあるという認識だ。結婚、住宅取得、教育資金、保険設計、老後設計といった資金面の計画だけに重きを置くと、思わぬアクシデントに見舞われることがある。つまり、「個々のライフデザイン」の違いによって生じる摩擦が続くと、「家族」そのものの基盤にリスクが生じるということだ。これを未然に防ぐにはどうすれば良いのか。私は、お互い理解できない部分を無理に理解し合おうとするよりも、理解できない部分があって当然なのであって、それはそれなりに尊重していこうとする、いわゆる「他者理解」の意識を高めることが大切なのではないかと思う。パーソナルファイナンスにおける「リスクを未然に防ぐ」手段は、保険設計だけではない。 

2013.9.25 日本経済は金融で回るのだが

16年前、FPの仕事を始めた時、金融機関の窓口の端っこの方で、家計診断なる相談対応を行っていた。当時、住宅取得の頭金は、平均が1000万円近く(前住宅金融公庫調べ)だった。つまり、家を建てるには、頭金の用意が必要であり、勤務先の財形や金融機関の定期積金などを利用して、コツコツお金を貯めていた。しかし、幸か不幸か、低金利が住宅ローン市場を活性化し、今では、さほど頭金が貯まらなくても家を建てやすい環境にある。これはお金を融通する「金融」の役割が、個人にも広く浸透したことを示している。しかし、一方で、雇用は不安定さを増している。20年・30年、長期返済を確実に行っていける収入が約束されているとは言い難い。家の建てやすさのメリットとともに、収入の不確実さというデメリットが、どの程度考えられるのか、より客観的に判断しなければならない。

2013.7.25 親の土地に家を建てる

子供が親名義の土地に家を建てるケースは多いですね。家を建てる時に、売買か贈与による所有権移転登記を行えば良いとは言えますが、通常は、親の土地に家を建ててそのまま、となってしまいます。つまり土地の名義は親のままで、建物が子供名義ということです。住むには当面、支障のないことですが、やはり、将来(親の相続)のことを考えると、名義は変更しておいた方が良いでしょう。タイミングとしては、平成27年1月1以降については、親が60歳になった時に(現行65歳)、相続時精算課税制度を利用できるわけですから、当該制度を利用して、所有権を移転する方法があります。登記にかかる登録免許税は不動産価格の2%。税務署に贈与の申告書を提出する際、相続時精算課税制度選択届出書を添付すればOK。2500万円までは税金がかかりません。しかし、一度利用すれば、110万円の贈与税基礎控除には戻れませんので、その点は押さえておかなければなりません。さて、費用ですが、法務局へコツコツ足を運べば、登録免許税以外はわずかなお金で済みますので、日中の時間に多少ゆとりのある人は、ご自身でおやりになることをお勧めします。

2013.6.25 リスクの大小は、時代とともに変化する。

昭和40年代から50年代にかけて、共済や生保各社は、恐る恐る全疾病型の医療保険商品を発売した。入院が長引いた場合に、保険金財源は確保できるか。不安を抱えた中での船出だった。20日以上入院しなければ保険金が支払われない。10日以上、4日目から、など一定の条件を付けた商品がほとんどだった。しかし、入院日数が短期化した今では、医療保険は安心して販売できる商品となった。総合病院の平均日数が15日前後となった昨今では、20日以上の入院が条件の医療保険(特約)はめったに用をなさない。それで、保険の見直しが勧められている。入院しない「通院だけで」治療を行う場合の保障であったり、重度疾患により働けなくなった場合の保険料免除機能など、各社は時代にマッチした商品開発を進めている。しかし、加入や見直しを検討する側としては、その保険商品が、今の時代にはマッチしていても、将来にわたってその保障機能を満たしてくれるかどうかは未定だ、という視点を持った方が良い。リスクの大小は、時代とともに変化する。

2013.5.31 リスクの発生頻度(正規分布とべき乗分布)

先般、日経新聞に、「べき乗分布」と「正規分布」の違いについて解説する記事があった。平均身長170センチ周辺の人は多いが、190センチになると数は少なくなる(正規分布)。一方、日々の株価が、100〜200円動くことは多く、次に200〜300円、そして1000円ともなると頻度が少なくなる(べき乗分布で表わされる)。今回、記事を読みながら、改めて考えさせられたことは、身長190センチの人の分布より、株価1000円変動の発生確立の方が多いという指摘である。金融市場の暴落や暴騰の発生頻度、大災害の発生頻度などはべき乗分布で表わされるが、個人生活や個人資産に与える影響は、べき乗分布の方が発生頻度が多いということを肝に銘じなけらばならない。

2013.4.25 これからのファイナンシャル・プランニング

誰もが認めることだが、日本は、これまで経験したことのない少子高齢化と人口減社会を迎える。田舎の小学校は廃校の危機を迎え、戸建て住宅や集合住宅は空き家・空室が増えてくるだろう。50年先は、総人口が現在の2/3になる見込みだという。さて、未知の領域を迎える「今」の日本人にとって、ファイナンシャル・プランニングをどのように立案し、実践すれば良いのか。私は、まず、中・長期的な目標を立てる場合(どうありたいか、どうなりたいか)、それは必ず、近未来(1年先であったり数年先であったり)の延長線上であること、つまり、近未来は、現在の延長線上にあることを常に意識することが大切だと思う。中長期的な目標が定まっていれば(ライフイベントに基づいた資金計画)、定期的な軌道修正(見直し)によって、思わぬ方向に進まないで済む。すなわち、近未来であれば、個々の課題は見えてくるのだから、課題解決に基づいたファイナンシャル・プランニングの実践効果が現れてくるといえる。おそらく国の行く末にあっても、危惧されるようなことにならないためには(将来の目標)、今をどう改善していけば良いのか、そして、近未来では、どのような対策を講ずればよいのかを立案し、実践していけば、その延長線上に、明るい展望が開けてくるのではないだろうか。

2013.3.26 利益確定の売り

経済新聞や経済ニュースでは、「今日の株式市場は、利益確定の売りが出て株価は値下がり」とか、「買いと売りが出て膠着状態」といったニュースが流れてくる。先日、大阪の某個人投資家のディートレードが話題に上った。1年間の投資累計額が15億円で、売却代金の累計が16億円だったとか。適正な税申告がなされなかったので、税務署に呼び出されたという。つまり、株式市場は、頻繁な売買を行う個人投資家や利益確定の売りを出す機関投資家が動かしているようなのだ。また、投資信託のニュースでは、外国債券型の○○は資金流出が続き、日本株投信の○○に資金流入が続いている、とったニュースも流れてくる。投信の乗り換えである。このことを冷静に考えてみると、投資関連の市場は、思ったより短期売買が主流をなしているのではないか、ということである。長期投資を謳われて久しいが、個人投資家の呼び水となるニュースには、(これから投資を考える人にとって)「眉つば」とも言えるニュースが含まれているので、気を付けて対処した方が良いと言える。

2013.2.27 市場心理と投資行動

株や債券、投資信託、為替など、リスク性商品の運用を始めると、金融・経済情勢が気になる。例えば、株価が上昇すれば、株価のチェックを頻繁に、為替が円安に動けば、為替動向をこまめにチェックする。一方、株価が下落傾向を辿っていたり、為替が円高へと進行すれば、市場チェックは遠のく。今年1・2月は、証券会社に、自分のパスワードを尋ねる電話が殺到したという。このことを考えると、資産運用の心得は、真逆が正解なのではないか、と推察する。つまり、買うタイミングは、皆が市場にそっぽを向いた時がより適しており、売るタイミングは、市場が過熱した時、ということになる。これを短期売買で実施するというのではない。中長期の運用を考える際の「バイ&ホールド」の視点として、確固たる信念とする、ということだと思う。

2013.2.2 円安進行と日米株価上昇に潜む罠

一時はどうなるかと不安な気持ちを抱いていた「私の確定拠出年金」。「個人型」を拠出し始めてから10年になるが、円安と株価上昇に伴い、1月末でようやくプラスに転ずる状況となっている。しかし油断するなかれ。ミニバブルの後には、必ずミニ崩壊が待ち受けている。時には、暴落も有り得る。昨日、ユーロ建ての外貨を円に換えた。預入元本に、多少預金を上回る為替差益が生じたからだ。しかし、数日後には、更に3円も円安ユーロ高になっていた。内心はしまった、と思っているのだが、リスク性商品とはそのようなものである。プラスに転ずれば、誰もがプロ投資家の気分になり、損失が膨らめば、肩を落としてオケラ街道を歩く気分になる。要は、今ある資金の性質を見極めることだ。あと半年に迫った確定拠出年金の拠出終了に向けて、私は、そろそろ安定資産への預け替えを行う時期だと考えている。

2013.1.8 収支の年表

私は、一昨年、支出の年表を作ってみた。3人の子供が大学へ進学した折、一人月々5万円の奨学金を借りた。三歳違いだから、8年間、月々一人25,000円の奨学金は、述べ14年間返済を続けなければならない。多い年には3人で75,000円の時があった。ようやくあと何年。今は月々25,000円までたどり着いたが、いろんな支出を年表に表してみると計画が立てやすい。生命保険料も○歳まで保険料を支払うという商品が多いし、10年前に加入した確定拠出年金は、60歳まであと9ヶ月で支払い完了だ。円安傾向なので、元本確保まであと一息といったところである。これにあわせて、収入の年表を作ってみると、毎年の収支の推移が手に取るようにわかる。今は、貯蓄を取り崩したりしているが、あと何年か経てば、収支がプラスの状態になるのではないか。目で追ってみると楽しみが出てくる。

2012.12.18 住宅ローンの融資金利

メガバンクの住宅ローン金利が、10年固定で1%台前半になってきた。もちろん1%台後半の金融機関も多いが、史上、類を見ない低金利である。いざ住宅取得に向けて、ローンの借り入れを検討すると、金利設定とともに、毎月返済額の表示が大いに気になってくる。数千円安いと、10年より5年、5年より3年といった具合に、短期間の変動金利が魅力的に見えてくる。

さて、人は、今の現状がこのまま続くものと思う傾向がある。今の低金利が、今後10年・20年続くものだと錯覚を起こしてしまう。そこで、まずは足元の金利動向を把握しておく必要が出てくる。足元の金利動向の延長線上が、将来の金利動向を予測することにつながる。12月18日現在、10年長期国債の利回りは、いくぶん上昇傾向にはあるが、0.7%台前半を推移している。一方、債券の堅調をよそに、株価は、期待を胸一杯膨らませ上昇傾向にある。株価からみていくと、今後は金利が上昇しそうである。一方、債券からみると、金利は比較的安定的に推移しそうである。

あぁ〜わからなくなってくる。どうしよう。10年にしようか、5年にしようか、それともフラットにしようか、迷ってしまう。そこでFP的な判断力が必要になってくる。つまり、金利が上昇した場合における<家計の柔軟性>がどの程度なのか、問いかけてみることだ。どれくらい毎月返済額が上昇しても、我が家の家計で対応可能なのか。金利が想定以上に上昇した場合、繰り上げ返済などによって、将来の不安を解消する手立てがあるのか。思わぬ金利上昇に見舞われた時、対応可能な<家計の懐具合>を検証してみることをお勧めする。

2012.11.13 やって良いことと、やらないで良いこと

「先々のことをいろいろ考えて準備する」というのは、ファイナンシャル・プランニングの一つの考え方だが、やって良いことと、やらない方が良いことがあると思う。ただ、やらないで良いことと、知らないで良いことは違う。知った上で、いざ、その対策が必要になったら、実行に移す。よく知った上(わかった上)で、今はやらない(実行)が、時期がくれば(その対策が必要になれば)、実行に移すということである。回りくどい言い方がもしれないが、これが結構大切だ。相談事などを通じて感じることは、先々を読んで、ついついやり過ぎる人が多いことだ。先回りするとでも言えば良いか。良かれと思ってやることは、相手にとって(またはその時期が来た時)必ずしもそうはならないこともある、ということを自覚しておく(わきまえておく)必要がある。 

2012.8.23 結論を急いではいけない

相談が寄せられると、問題点が徐々に浮き彫りになる。問題点が明らかになると、複数の解決策が見えてくる。解決策には、FP側が、得意な分野もあれば不得意な分野がある。無意識(?)のうちに得意な分野へとリードしそうになる。相談される側としては、よくわかる(理解できる)話もあれば、さっぱりわからない話(提案)がある。営業の世界でよく行われるクロージング話法を使ってはいけないと思う。次回へとつなげても良いから、決して結論を急いではいけない。

2012.6.22 どんな相談がいつ寄せられるか

FPは独立して仕事になるのか?と以前はよく聞かれた。仕事になるのか?との問いかけは、それで飯が食っていけるのか?という素朴な疑問である。しかし、FPという資格から入ってみても、何を具体的に実践するかが決まらなければ、飯が食っていけるとか、ビジネスになるのか、といった話はあまりに漠然としている。実際、FPの看板を掲げていると、相談は入ってくる。それは頻繁ではないかもしれないが、住宅ローンの相談であれば、ライフイベントやキャッシュフロー表の作成が必要だし、保険相談であれば、広範な公的保障のコンサルティングが必要となってくる。相続相談であれば、申告納税には税理士へのつなぎが必要だし、所有権移転登記には司法書士の力を借りなければならない。FP自身が問題解決の前面に立つこともあれば、ワンストップサービスの窓口として、縦横無尽に対応しなければならないこともある。そこにどのようなフィービジネスを展開するかは、やはりFP自身の力量(コンピテンス)なのだと思う。

2012.5.23 リスクと保険〜商品開発〜

生命保険の商品開発の流れについて。@養老保険から定期保険特約付き養老保険。A災害入院は早く作られたが、特定疾病に限定した医療保険から全疾病保障の医療保険開発。B終身保険の開発。C終身保険に定期保険特約付き終身保険が主力商品となる。D定期保険特約付き終身保険は、更新型が提案の主流に。E個人年金保険の開発。F個人年金保険は、まずは60歳から65歳までの5年確定年金が好まれた。Gアフラックの「がん保険」ががん保険における大半のシェア―を占める。H養老や終身の一時払い商品が人気を集める。I定期保険に逓減定期保険が開発された。J逓減定期保険は、収入保障保険や生活保障保険といった年金払い商品へと提案が移っていった。Kがん・心筋梗塞・脳卒中といった三大成人病を生前に保障する特約を開発。L介護保障関連の商品開発。当初は、重度に対する保障から、最近は、公的介護保険の介護認定2または3などに連動する商品も。M抜け落ちている部分もあるが、さて、次の目玉商品は?

2012.3.23 自助努力

「二十歳になったら国民年金」だが、自助努力の私的年金になってくると話は別だ。一人一人の「ライフステージ」ごとに「ライフイベント」があり、その「ライフイベント」には資金<キャッシュ>が必要になる、という考え方からすると、イベントの早いものから資金の手当を考えるのが順当。確かに公的年金の不安はあるだろうが、漠然とした不安だけで、どんどん早めに考えすぎるのもいかがなものか。実際、公的年金の不安となれば、開始年齢が67歳や68歳に引き下げられるか、給付額が引き下げられるか。20歳代、30歳代と生きていく過程で、そろそろリタイアが10年・20年先に見えてきたら、引き下げられるかもしれない公的年金の開始年齢まで、どのような対策で補完すれば良いのか。年金と必要生活費との差額があれば、どのような形でその差を埋めていけば良いのか。一つ一つ絞り込んで、その一つ一つに、対策を考えていけばよいと思う。

2012.2.27 医療保険

病気やけがで入院した場合に備え、医療保険(特約)に加入する人は多い。私も日額15,000円の医療特約に加入している。1年程度の長期入院に備えた特約が付いている。幸い加入後、病気やけがで入院したことはない。これから有病率が高くなる60歳代・70歳代を迎えるにあたって、私の医療保険は大いに役立つかもしれない。一方、国全体で36兆円を超える医療費を削減するため、在院日数の短期化が進められてきた。一般病棟では平均在院日数が20日を切っているという。さて、これから病気やけがによるリスクに備える人は、保険が良いのか、貯蓄が良いのか。保険も従来の医療保険だけではない。商品が多様化している昨今、思案のしどころである。私の助言としては、「リスクの所在を明らかにすることから始めよう」、である。リスクを分類し、それを明らかにし、限定するのがリスクマネジメントの考え方だ。

2012.2.7 売れた商品と売られた商品

株式投資信託の70%を超える(残高約30兆円)「毎月分配型」商品。1997年に新規設定された商品が最古参だと思う。これは、元祖・三種の神器である「白黒テレビ、洗濯機、冷蔵庫」とは少々趣が違う。その後の「カラ―テレビ、クーラー、自動車」とも違う。これらは「売れた商品」だと言える。一方、投資信託などで言えることは、「売られた商品」の側面が強いなのだ。2000年頃のITミニバブルでは、情報通信やバイオテクノロジー関連の投資信託が新規設定され、兆円単位で販売されたことがあった。介護が脚光を浴びた時期もあった。しかし、いずれの投資信託も基準価額が大幅に下落し、投信から資金が急速に逃げた。その後は、金利の高い新興国通貨の商品設定が相次いだ。そして最近では、当時、見向きもされなかった分配型商品が表舞台に出たのだ。あなたのニーズに合っているか?利益の源は何なのか?リスクの所在を理解できるか?よく考えてみる必要がある。

2012.2.6 住宅取得とローン計画

住宅金融支援機構と民間金融機関が提携する形で提供している長期固定金利型の住宅ローン「フラット35」は、建設費・購入価額の100%まで利用することができる。また、建築確認や中間検査、完了検査の申請費用、住宅性能評価の検査費用、請負契約に係る印紙税などの諸費用まで融資の対象が拡大されている。これって、ほとんど頭金がなくても家を建てることができるということ。今の世の中、欲しいものは、お金がなくても、先に買うのを奨励している。国を挙げて。。。個人にとってはありがたい面もある。しかし、ここで忘れてならないのは、長期債務を確実に返済できるかということ。幾つかのシュミレーションをしてみる必要がある。自分の年収が30%減ったらどうなる?妻の年収が下がったら?子が県外の私立を希望したら?何通りか、我が家で想定されるリスクを数値化して、表(キャッシュフロー表)に表してみると、計画が立てやすい。

2012.2.3 間接金融と直接金融

個人が金融機関に預金をすると利子が付く。預金は、金融機関にとって、融資や投資の原資になる。融資で焦げ付いたり、投資で損失を被ると、それは金融機関の自己責任となる。一方、個人が株式を買う。個人が社債を買う。購入した株式を発行している会社が倒産すると、紙屑に近いものになる。購入した会社が倒産すると、社債は償還されない。個人の自己責任である。しかし、時に、個人は売り手である金融機関を責める。なぜか?それは甘えなのか?私が感じるには、個人は、所詮、素人の延長線なのだ。情報不足は、個人の資産の危機管理を甘くする。