BLOG

金融機関の共通KPI

2019.01.07
顧客本位の業務運営 ・ コラム
前回は、KPI(重要業績評価指標)を
わかりやすくするために
あえて個人の目標達成を例にとって説明しました。
今回は、これを投資信託を販売する金融機関について書いていきます
金融庁の森前長官は、講演で以下のように
いまの投信販売について批判しています。
「資産運用の専門家が、
 個人の安定的な資産形成に資すると勧める特徴を持った投信が
 これだけ少ないという事実は、
 我々も業界も深刻に受け止める必要があると思います。 
 では何故、長年にわたり、
 このような「顧客本位」と言えない商品
 作られ売られてきたのでしょうか?」
 
ここで注目してほしいのは
金融商品の「つくり手」と「売り手」の両方に言及していることです。
 
金融庁の「顧客本位の業務運営の原則」に従って
金融機関が
「お客様のために最適な投資信託を組成します(販売します)」
というのは簡単です。
言うだけなら誰でもできます。私にだって!
 
個人の話で「健康な身体になる」といっても
いろんな捉え方がありましたよね。
筋肉ムキムキになるのか、肌つやがよくなるのか
スリムな体型になるのか
 
それを「スリムな体型になる」ときめて
体重や体脂肪率やウエストサイズの目標を
決めていきました。
そのように、投資信託販売のあるべき姿の指標として
金融庁は、共通のKPIを設けました。
それが
・ 運用損益別顧客比率
・ 投資信託預り残高上位20銘柄のコスト・リターン
・ 投資信託預り残高上位20銘柄のリスク・リターン
です。
簡単にいうと
・ちゃんと利益のでているものか
・コストとリターンが見合っているか
・リスクとリターンが見合っているか ですね
これを金融機関ごとに集計して「見える化」することによって
消費者にとって
どの金融販売業者がいいものを取りそろえているか
いい商品を推奨しているのか
ということがわかるようになります。
系列だからといって
手数料が他よりも高い投信を販売していないか
資産形成をお手伝いとか言いながら
運用成績のふるわないものばかりではないか
そのようなことを
これからは消費者が直接比較できるようになります。
待ち遠しいですね(^^)