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【信託報酬ってホントはこうなんです】20190522 毎日更新142日目

2019.05.24
注意喚起 ・ 業務改善 ・ キャッシュフローコーチ ・ ファイナンシャル・プランニング ・ コラム
投資信託について解説している
あるホームページには
以下のように説明しています。
「信託報酬とは、
 具体的にファンド(投信)を運用する
 運用会社に対して支払う手数料です」
いや違います。
具体的ではありませんし、
間違ってもいます。
みなさん、iDeCo(個人型確定拠出年金)が
証券会社や銀行で販売開始されて、
運用の中身をどうしようかと
悩んでいる方も多いでしょう。
私の場合、iDeCoの月額掛け金の上限は12,000円だけ。
少なくて悲しくなります。
なので、
少しでも運用成績を上げたい、
コストを下げたいということで
調べてみました。
一般社団法人投資信託協会によると、
「運用にかかる費用、
 運用報告書の作成費や発送費、
 資産の保管のための費用をまかなうもので、
 運用会社・販売会社・信託銀行の
 3者で配分されます」
とあります。
そのことについては、
アクティブ投信(ファンマネージャーが積極的に売買する)
とインデックス投信(コンピュータがシステム的に売買する)の
信託報酬の中身を個別にみていくとわかってきます。
投資信託協会によると
平成29年9月現在で
純資産総額ランキングの1位
「フィデリティ日本成長株ファンド」
(アクティブ投信)
と3位の
「インデックスファンド225(日興アセット)
(インデックス投信)」
で比較します。
フィディリティ日本成長株ファンド(アクティブ型)
  信託報酬総額 1.53%
   うち委託会社(運用会社=投資信託会社)0.73%
     販売会社(証券会社・銀行)    0.70%
     受託会社(信託銀行)       0.10%
インデックス225(インデックス型)
  信託報酬総額 0.52%
   うち委託会社(運用会社=投資信託会社)0.22%
     販売会社(証券会社・銀行)    0.20%
     受託会社(信託銀行)       0.10%
投資信託の財産は、
信託銀行で保管されますので、
これは仕方ないですね。
運用会社も売買手数料を証券会社に払ったり、
ファンドマネージャーの給料、
売買システムを構築しているので
コストがかかるでしょう。
しかし販売会社って、
販売したときに手数料をもらっているんだから、
信託報酬の中に販売会社の取り分があるってのは
意味があるのかなと
疑問に感じる方もいるでしょう。
目論見書には、
販売会社のコスト説明として、
「運用報告書などの各種書類の送付、
 口座内でのファンドの管理、
 購入後の情報提供などの対価」
 とあります。
疑念としてうかぶのは、
販売会社と委託会社は
単に信託銀行の取り分を引いたものを
山分けしているだけではないか?
ということです。
アクティブ投信でもインデックス投信でも、
投資家に定期的に運用報告書を
送付するコストはそれほど違いはないでしょう。
受託会社=信託銀行への手数料は
低いままなのにおかしいですね。
投資信託を運用している会社とすれば、
投資信託を売ってもらいたいし、
ずっと保有してもらいたい。
なので
どうしても販売会社に対しては
インセンティブを与えることになります。
しかし
それは投資家にとっては関係ないことです。
アクティブ投信の販売会社へのコストは
インデックス投信並みに下げるべきである
というのが私の考えです。
アクティブ投信は、
投資家ご自身が
そのテーマ(新興国とか地域応援とか)に
積極的に意味を見いださない限りは、
保有する意味がありません。
みなさんのiDeCoや積立NISAの
運用商品を選ぶ際の参考になれば幸いです。
(2年前にマイベストプロ富山に掲載していた記事に加筆修正)
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丹羽誠